言葉の定義
このあたりで「信用」と「信頼」の言葉使いの違いを明らかにしておきたいと思います。「信用」とは具体的な仕事や行為に対するもので、「信頼」とは価値観や人格に関するものとします。
「人間的には信頼しているんだが、この仕事を任せるには信用が足りない」というような使い方をします。ただ、信用の積み重ねで付き合いが長く続くと人柄も分かってきて信頼も大きくなることはありますので、実社会上ではまったく無関係でもありません。
無関係ではないがゆえに、その混同が悲劇を招くこともあります。例えば、経営管理や人事、重要な対外折衝などは本当に信頼のおける社員にしか任せられません。ところが、きょうび、そんな社員はなかなかいません。そこにきて、幸運にも昔ながらの親友とか身内の子が入社してくると、大喜びで大仕事を任せたりします。信頼はMAXなので、気持ちはわからないでもないのですが、実績も見ずにそんな重要な仕事を任せると会社滅亡の可能性が出てきます。そりゃそーですよね。
いくら信頼が厚くても、実際にその仕事ができるかどうかは、やらせてみないと判りません。実績も見ずに仕事を任せるというのは、ルールも知らないギャンブルに全財産賭けるようなものです。「実績を見るまで、信頼はしても信用はするな」という標語を知らない経営者はいないと(信じたいな~と)思います。ということで、「信用」の作り方はこれで明確になりましたね。実績を以て示す。これ以外ありません。
さて、それでは信頼はどうやって得るのでしょうか?信用を積み重ねていけば信頼に結び付く場合もあると言いましたが、では信用の積み重ねは必ず信頼に結び付くものなのでしょうか?
経営幹部の横領事件
仕事で実績を重ね、幹部になった社員による横領事件が後を絶ちません。権限が大きくなっているので、よけいに巨額事件となります。銀行支店長の横領事件など昔からずーっとあることですし、今日は「グーネット」の部長の横領事件が報道されました。少なくとも10年間で19億円以上になるとか。ウエイトリフティング部の部長も、入学する学生から長年、金をだまし取っていたとか。
とにかく、普段、仕事のことに限っては信用のおける人材だったからこそ幹部にもなっています。しかし、それを以て「信頼に足る人材」かどうかは、基本的に全く別物と考えるべきでしょう。大谷翔平さんもひどい目に遭いましたよね・・・。
信頼関係構築という「無理ゲー」
では、信頼の方はどうやって構築するのでしょうか?
ゲームの世界には、「無理ゲー」なるものが存在します。「信頼関係の作り方」も、実はこの「ムリゲー」に近いものです。一発の必殺技でクリアできるようなものではないと思うのです。「第一印象」とか「カウンセリング」とか、お薬のいくつかは紹介しましたが、世の中、これで解決する病気ばかりではないです。「不信」には様々な原因があり、その原因に応じたあらゆる方法、スキルを全世界からかき集め、全弾発射、飽和攻撃に打って出ても「無理かな~」くらいのお話。しあのたびは、威力はちっさいながら、何かしら役に立つと思われる魔導書を探しまわる旅です。一回の記事ですっきり答えが出るなんて期待しないでくださいね。
でも、現在のリアルな世界状況、つまり核兵器による世界滅亡がいつ起こっても不思議ではない状況においては、ムリゲーだろうが何だろうが、唯一の鎮静化ワクチンである「信頼」を構築するしかありません。選択肢がないのです。これを「ダメで元々」と言います。
「ダメ元」ほどお気楽な言葉はありません!だから、アハハ!と笑いが出てしまいます。責任感無しに全力で暴走できる状況、こんなことは滅多にありません。しあは、不謹慎な笑いをこらえながら旅立とうと思います。
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