民主主義って何だろう?などとスレを立てたら、それだけで一生終わってしまいます。今後も折に触れて取り上げるテーマですが、まとめようなどと考えず、ぽつりぽつりと色々な角度から光を当てていきたいと思います。
選挙と多数決
普通選挙があるから民主主義と言ってよいでしょうか?
「民主主義」と言われる国家でも、政策は議論による合意ではなく、多数決だけで押し切られる場合が少なくありません。それを阻止するために行われたという国会の「牛歩戦術」を見たしあは、「せいじかさんって、・・・なんかヤだな・・・」とつぶやいたことを覚えています。どっちにしろ、議論する気なんて無いんですから。でもまあ、お隣の国の状況はもっと悲惨なようで、ただひたすら足を引っ張りあうだけのことのようです。
2024/12韓国のユン・ソンニョル大統領は国政の麻痺を理由に戒厳令を敷きました。国会では反対党派が多数になったため、大統領のあらゆる執政が反対妨害され政権運営が困難となったので戒厳令をだして状況打破をはかったと言われています。この妨害工作関連のニュースにどの程度信憑性があるのか現段階ではまだよく判りませんが、伝わっている部分だけをみると、たしかにエゲツナイ内容が並んでいました。結局戒厳令は頓挫し大統領は弾劾裁判にかけられることになりましたが、反対勢力を追い詰めるのに手段を選ばず、行政組織を麻痺させてまで大統領を追い詰めるって、もう、民主主義の根幹である「話し合い」をかなぐり捨ててますね。政権交代するたびに、仕返しのように前任大統領が犯罪者として投獄されるというのは、それは選挙の名を借りた戦争です。
でも、「どんなに議論しても結論の出ないこともある。価値観の相違でしかない場合もある。議論の時間も無限ではないのだから最終的に数で決めるしかないじゃないか。」などと言われると、うまく丸め込まれそうにもなります。
ただねー、多数決が全てだとすると、それは「議決に納得できない勢力」が必ず残存する仕組みです。こうした不平不満は、限界を超えると暴力で解決する「内戦」の扉を簡単に開いてしまいます。信頼関係が失われた世界では、少数だろうが武力さえあれば選挙結果など簡単にひっくり返せます。2021/2/1ミャンマーでは選挙が行われたと思ったらすぐさま国軍クーデターによって民主主義が覆されてしまいました。アメリカの選挙も暴力がらみになりかけていませんでしたか?
戦争と選挙
どうせ分かり合えない勢力同士なら、昔は戦争で決着をつけていたものです。今は選挙や投票で決めているからマシと言うかもしれません。しかし、相手が何を考えているかさえ聞く耳持たず議決を行うというなら、強い(多い)ものが理屈抜きに相手を封殺するという構造において、戦争も選挙もあまり違いはないです。「きれいごとの話し合いに意味はない。損失を最小限にとどめるためには暴力で決めたほうがいっそ正直じゃないのか」とトランプ大統領が考えていないかどうか?みなさんはどう思いますか?
実際、結局腕力で解決することになるなら、軍事力で国民を支配する独裁主義の方が効率的かもしれません。もともと人類の歴史は抗争と殺戮の歴史です。民主主義がハリボテなら、昔に回帰するのが自然というものです。
ただここにきて、残念ながら人類は、戦いがはじまればただのケンカで済まない武器を手にしてしまいました。ひと昔はそれが戦争を抑止するのに役立つと言われてきたのですが、プーチン大統領は「何を勘違いしているかわからないが、西側はなぜか核兵器を使わないという思い込みがあるようだ」と恫喝して、ウクライナ侵攻を続けています。
さて、どうしましょう?
少数与党
ここで話を「少数与党」ということに振り向けたいと思います。過去には、日本でも少数与党だった時代があるそうです。吉田茂さんや細川護熙さんの時代がこれに当たるそうですが、「サクサク物事が決められず短命に終わった」らしく、そこで何があったのか記憶がありません。そんな苦い経験から強く安定した与党を求める声も根強く、少数与党時代に失望感を抱いている人も少なくないかもしれません。でも、今の石破茂さんの少数野党時代を見ていると、しあは今まで見たことのなかった「議論する国会」の姿をときどき見かけているような気がします。
物事には良い面悪い面があるものですが、与党が数で押し切って議決できないぶん、「議論」の必要度が上がってるようです。野党も、議論に参画できるようになったことで、そこそこ建設的で責任ある提案をするようになったと感じます。ただ足を引っ張るためだけのスキャンダル探しや聞くに堪えないヒステリックな誹謗中傷は、気持ち少なくなってるような気がするのはしあだけでしょうか?
特に今は、世界はありとあらゆることで「袋小路」に追い詰められつつあります。緊急事態にはみんなで知恵を出し合うのがアタリマエ。図らずも、この少数与党体制がそれを体現する可能性がないでしょうか?政党は支持層の利益を代表するもので、基本的に勢力抗争の勝利を目指すものですが、日本全体が終焉する段階にきて、人の足を引っ張るだけの議員や根拠のない主張をするだけの議員は「キエテシマエー」と願うしあなのでした。
はい、今日はここまで。また次の記事でお会いしましょう。御機嫌よう、お過ごしくださいませ。